【ラ・リーガ展望】2位レアル・マドリード、3位レアル・ソシエダがぶつかる注目の一戦。ミッドウィークの戦い方もポイントか

1月27日から30日にかけて、ラ・リーガ第19節が行われる。

 

今節ではレアル・マドリードとバルセロナによる「エル・クラシコ」、レアルとアトレティコによる「マドリード・ダービー」にも匹敵するような、今シーズンを占うビッグマッチが組まれている。

 

レアル・マドリード vs レアル・ソシエダ 

 

第19節最大の注目カードがこちら。29日(日本時間30日)にサンティアゴ・ベルナベウで行われるレアル・マドリードとレアル・ソシエダの一戦だ。2位のレアル・マドリードと3位のレアル・ソシエダ。激戦必至の上位対決は、順位表を眺めるだけでもキックオフが楽しみになってくる。

 

レアル・マドリードは現在、17試合を終えて勝点41。対するレアル・ソシエダは18試合で勝点38を積み重ねた。レアル・マドリードはバルセロナを勝点差3で追っている状況だ。宿敵にプレッシャーを掛け続けるため、そして逆転優勝のためにも、今落とせる試合は1試合もない。そしてこの試合の対戦相手が、自らのすぐ下で虎視眈々と上位を狙う好チームであれば、なおさらマックスに近い戦力と強度で臨まなくてはいけないだろう。

 

チームとしての安定感、成熟度は非常に高い。総得点はリーグトップの「38」。1試合平均2得点以上を決めている計算だ。総失点も16とリーグ4位の数字を残している。直近では7日の第16節ビジャレアル戦で1-2の黒星を喫し、15日にサウジアラビアで行われたスーペルコパ・デ・エスパーニャ決勝でもバルセロナに1-3と屈辱的なスコアで敗れた。やや不安定さも感じさせた1月序盤だったが、19日のコパ・デル・レイでビジャレアルにきっちりリベンジ。22日に難敵アトレティックに2-0で勝利しており、状態は良好だ。

 

特筆すべきプレーヤーはキャプテンマークを巻くカリム・ベンゼマ。世界最高の選手に与えられるバロンドールも受賞したフランス出身のストライカーは、今シーズンも素晴らしいパフォーマンスを見せている。負傷の影響でワールドカップ出場こそ逃したが、その分コンディションは万全だ。2022年12月末に復帰してから、公式戦6試合で6ゴールと圧巻のペースで得点を量産している。

 

9連勝中のレアル・ソシエダ

 

対するレアル・ソシエダは今シーズン、2強を除いて最もエキサイティングなフットボールを見せているチームと言っていいだろう。近年3強時代を作り上げてきたアトレティコ・マドリードがパッとしない出来の中で、レアル・ソシエダが2強に割って入るクラブとして存在感を示している。

 

ここまでのリーグ戦の成績は18戦12勝2分4敗。得点数はリーグ3位の「28」、失点数はリーグ5位の「18」となっており、バランスのいいチームであることがわかる。際立つのは中盤以降の戦績だ。開幕から10月までは7勝1分4敗。それが11月に入ると、1分からの5連勝で無敗をキープしている。コパ・デル・レイの成績を入れると、現在公式戦9連勝中と破竹の快進撃。今、最も勢いのあるチームなのだ。

 

チームとしての特徴は流動的な攻撃。最前線に君臨するアレクサンデル・セルロートは新加入ながらまたたく間にチームにフィットした。得点でチームトップの数字を残しながら、味方を生かすプレーも優れる器用な選手だ。彼の周辺で高いテクニックを持つダビド・シルバやブライス・メンデス、久保建英らが躍動し、ゴールを陥れる。特に久保とは高次元のコンビネーションを見せており、相手にとっては脅威だ。

 

試合前の時点での得失点差はレアル・マドリードが「22」、レアル・ソシエダが「10」と離れているため、この試合で順位が入れ替わる可能性は低い。その上に、1試合の差もある。それでも、レアル・ソシエダが優勝争いに絡んでいくために、最も重要な試合の一つがこの試合だ。

 

ミッドウィークも肝に

 

両チームにとって、この試合の重要性は高い。ただ、全力投球をしづらい試合であることも間違いない。

 

というのも、どちらもミッドウィークにコパ・デル・レイ準々決勝を控えているからだ。しかも、レアル・マドリードはアトレティコ・マドリードのダービーマッチ、レアル・ソシエダはバルセロナとのビッグゲーム。タイトルを狙える上位チーム同士の対戦となっている。

 

タイトル獲得のチャンスがあるので、大幅なターンオーバーをせずに挑むことは考えづらい。チームのメンタル面を考慮しても、コパ・デル・レイ敗退のショックはリーグ戦にも影響しうる。早い段階で勝負を決めて主力選手を休ませる、チームレベル落とさずにうまくターンオーバーするなど、チームの総合力が試される1週間になるだろう。

 

なお、レアル・ソシエダは25日、レアル・マドリードは26日にコパ・デル・レイを戦う。日程的にはレアル・ソシエダが優位の状況だ。この「1日」のコンディショニングの差が、試合を決する可能性も十分にあるだろう。