全豪オープンテニス、男女シングルスの注目選手は?

 

【全豪OPテニス展望】1月16日から29日にかけ、メルボルン・パーク(オーストラリア・メルボルン/サーフェス=ハード)で開催される全豪オープン。テニス・グランドスラム(GS)の2023年初戦に強豪選手が集結した。

 

今回は男女シングルスにおいて優勝を争う注目選手を紹介していく。

 

男子シングルス

 

2022年の全米OPでGS初制覇を果たし、世界ランキング1位に立つ19歳の新鋭カルロス・アルカラス(スペイン)が負傷により欠場。それでも2年ぶりの出場となるノバク・ジョコビッチ(セルビア)らがしのぎを削る。

ノバク・ジョコビッチ(セルビア/5位)

 

35歳のノバク・ジョコビッチは、ラファエル・ナダル(スペイン)に次ぐGS通算21度の優勝を誇り、現役屈指の実力者に挙げられる。

 

2022年の全豪OPと全米OPは、新型コロナウイルスに関連する大会運用の影響で欠場。出場したGSではウィンブルドンを制しているものの、同大会の成績が世界ランキングポイントに反映されなかった。その影響で現在世界ランキングを5位まで落としているが、歴代トップとなる世界ランキング1位通算在位373週の実力は健在。今回も優勝候補の筆頭と言える存在で、10度目の全豪OP制覇を果たし、ナダルに並ぶGS22度目の優勝を狙う。

 

キャスパー・ルード(ノルウェー/3位)

 

アルカラスの影に隠れがちだが、キャスパー・ルードも2022年に躍進した選手だ。現在24歳で、ジョコビッチやナダルらベテランとの世代交代を狙う1人。2022年はATPツアーで3勝を挙げたほか、全仏OPと全米OPでは準優勝と、GS制覇まであと一歩に迫った。

 

ATPツアー通算9度の優勝のうち8勝をクレーコートでマーク。だが全米OP準優勝などハードコートでも上位進出しており、今回の全豪OPでGS初優勝を目指す。

 

ステファノス・チチパス(ギリシャ/4位)

 

ルードと同じく1998年生まれの24歳、ステファノス・チチパスもGS初制覇を狙う。

 

準優勝だった2021年全仏OP、ATP1000での2度の優勝(2021,2022年モンテカルロ・マスターズ)はいずれもクレーコート。チチパスもクレーコートでの実績が目立つが、2019年ATPファイナルズ優勝はハードコートでマークしている。

 

ダニール・メドベージェフ(8位)

 

26歳のダニール・メドベージェフは、過去2度全豪OPで準優勝。タイトルまでわずかに届いていない。2021年はジョコビッチ、2022年はナダルに決勝で敗れた。「3度目の正直」で、GS2度目の優勝なるか。

 

2021年の全米OPでGS初優勝を果たした際には、ジョコビッチを決勝で撃破し年間グランドスラム達成を阻止した。

 

※選手名右の()内は、国籍/ATP世界ランキング

 

女子シングルス

 

2022年の全豪OPを制したアシュリー・バーティ(オーストラリア)が大会後、現役引退を発表した女子シングルス。さらに過去2度の全豪OP制覇を誇る大坂なおみ(日本/50位)が妊娠を公表し、今大会を欠場している。初優勝選手が生まれる可能性が高く、優勝争いに注目だ。

 

イガ・シフィオンテク(ポーランド/1位)

 

女子シングルスで最も優勝に近いと目されている選手が、イガ・シフィオンテク。当時の世界ランキング1位であるバーティの電撃引退で群雄割拠の様相を呈するかに思われた女子シングルスだが、シフィオンテクがトップに躍り出た。

 

2022年は全豪OP準決勝で敗退したが、カタール・トータルエナジーOPから全仏OPまで、出場したWTAツアー6大会連続優勝を果たした。その後全米OPも制し、GS通算優勝回数を「3」に伸ばしている。2022年4月4日更新の世界ランキングで1位に立つと、その後はトップを守り続けている。21歳ながら現在の女子シングルスでは世界一の選手と言え、今回の全豪OPを制しキャリアグランドスラムに王手をかけるか注目だ。

 

オンス・ジャバー(チュニジア/2位)

 

シフィオンテクに次ぎ、世界ランキング2位に位置するのがオンス・ジャバーだ。

 

2021年にWTAツアー初優勝を飾ると、2022年は2勝を挙げた。GSでもウィンブルドンと全米OPで、キャリア最高成績となる準優勝。現在28歳と遅咲きの選手ではあるが、今回の全豪OPで悲願のGS初優勝なるか。 

 

ジェシカ・ペグラ(アメリカ合衆国/3位)

 

世界ランキング3位につけているのがジェシカ・ペグラ。WTAツアー優勝は通算2度、GSでもベスト8が最高成績と決して目立った実績はないが、安定感のある結果を残している。2022年はグアダラハラ・オープンで、WTA1000初優勝を果たした。

 

ペグラも1994年生まれで現在28歳。着実に力を付けてきており、虎視眈々とGS初制覇を狙う。

 

ココ・ガウフ(アメリカ合衆国/7位)

 

若手からは18歳のココ・ガウフをピックアップしたい。2019年のウィンブルドンでは、オープン化後史上最年少となる15歳3ヵ月で予選から本戦入りを果たし、4回戦まで勝ち進んだ。同年のシティ・オープンでWTAツアー初優勝を飾るなど、デビュー直後から存在感を示してきた。

 

今シーズンはニュージーランド・オークランドで行われたASBクラシックを制し、すでにWTAツアーで1勝している。GSでは2022年全仏OP準優勝が最高成績で、今回初優勝を狙っている。また、ペグラとのペアで女子ダブルスにも出場する。

 

ベリンダ・ベンチッチ(スイス/10位)

 

2021年に行われた東京オリンピック金メダリストのベリンダ・ベンチッチも、初のGSタイトルがかかる。

 

2023年に入ってからは、全豪OP前哨戦のアデレード国際2を制覇。好調をキープして今大会に乗り込む。GSでは2019年全米OPベスト4が最高成績。オリンピック金メダリストの実力をメルボルンでも見せつけることができるか。

 

※選手名右の()内は、国籍/WTA世界ランキング