日本の対戦相手:コスタリカの戦力分析
コスタリカは、北中米で4番目にFIFAワールドカップ2022年大会進出を決めたチームで、ニュージーランドとの大陸間プレーオフに勝利して、大会への切符を手にした。
北中米・カリブ海予選の序盤、コスタリカは勢いに欠いたが、大陸間プレーオフに出場するための4位は死守した。6月に行われたニュージーランド戦では、ジョエル・キャンベルのゴールで勝利を収めた。
残念ながら、コスタリカは欧州の強豪2チームと日本がいる、グループEに入った。今回のワールドカップで最難関と言えるグループだ。しかし、2014年大会には、イングランド、イタリア、ウルグアイと同じ組で首位に立つ、番狂わせを起こした経験もある。
ルイス・フェルナンド・スアレス監督は、11月3日(木)に最終メンバーを選出した。最終登録メンバーのほぼ半分が25歳以下の選手で構成されている(全26名中11名)。しかし、その分経験不足でもあり、26人中11人は国際キャップ数が10以下となっている。
ベテランのケイロル・ナバス(35歳)、ケンドール・ワストン(34歳)、セルソ・ボルジェス(34歳)、ブライアン・ルイス(37歳)、ジョエル・キャンベル(30歳)らは、メンバーに残った。元アーセナルのキャンベルは、最終メンバーに名を連ねたフォワード3人のうちの1人だ。
意外なところでは、攻撃的MFのランダル・レアル(ナッシュビルSC)、ウイングのアロンソ・マルティネス(ロンメルSK)とアリエル・ラシター(インテル・マイアミ)、右サイドバックのクリスティアン・ガンボア(VfLボーフム)などが外されている。また、バックアップGKでは、アラフエレンセのベテラン、レオネル・モレイラではなく、若手のパトリック・セケイラが選出された。
ヘレディアーノのオルランド・ガロについては、ドーピング検査で陽性反応が出たためにFIFAから出された暫定的な出場停止処分がなければ、メンバー入りしていただろうと監督は認めている。
左サイドバックのロナルド・マタリータは負傷を抱えているが、スアレス監督は回復が間に合うと確信しているようだ。
コスタリカの招集メンバー26名:
ポジション |
背番号 |
選手名 |
所属クラブ |
年齢 |
キャップ数 |
GK |
18 |
エステバン・アルバラド |
エレディアノ/コスタリカ |
33 |
24 |
GK |
1 |
ケイロル・ナバス |
PSG/フランス |
35 |
107 |
GK |
23 |
パトリック・セケイラ |
ルーゴ/スペイン |
23 |
2 |
DF |
15 |
フランシスコ・カルボ |
コンヤスポル/トルコ |
30 |
75 |
DF |
6 |
オスカル・ドゥアルテ |
アル・ワフダ/サウジアラビア |
33 |
70 |
DF |
4 |
ケイシェル・フラー |
エレディアノ/コスタリカ |
28 |
29 |
DF |
16 |
カルロス・マルティネス |
サン・カルロス/コスタリカ |
23 |
5 |
DF |
22 |
ロナルド・マタリータ |
シンシナティ/アメリカ |
28 |
52 |
DF |
8 |
ブライアン・オビエド |
レアル・ソルトレーク/アメリカ |
32 |
74 |
DF |
3 |
ファン・パブロ・バルガス |
ミジョナリオス/コロンビア |
27 |
11 |
DF |
19 |
ケンドール・ワストン |
サプリサ/コスタリカ |
34 |
61 |
DF |
2 |
ダニエル・チャコン |
コロラド・ラピッズ/アメリカ |
21 |
8 |
MF |
20 |
ブランドン・アギレラ |
ノッティンガム・フォレスト/イングランド |
19 |
4 |
MF |
9 |
ジェウィソン・ベネット |
サンダーランド/イングランド |
18 |
7 |
MF |
5 |
セルソ・ボルジェス |
アラフェレンセ/コスタリカ |
34 |
154 |
MF |
25 |
アンソニー・エルナンデス |
プンタレナス/コスタリカ |
21 |
2 |
MF |
21 |
ドウグラス・ロペス |
サントス・デ・グアピレス/コスタリカ |
24 |
2 |
MF |
10 |
ブライアン・ルイス |
アラフェレンセ/コスタリカ |
37 |
144 |
MF |
14 |
ユースティン・サラス |
サプリサ/コスタリカ |
26 |
3 |
MF |
17 |
イェルツィン・テヘダ |
エレディアノ/コスタリカ |
30 |
73 |
MF |
13 |
ジェルソン・トーレス |
エレディアノ/コスタリカ |
25 |
12 |
MF |
24 |
ロアン・ウィルソン |
グレシア/コスタリカ |
20 |
2 |
MF |
26 |
アルバロ・ザモラ |
サプリサ/コスタリカ |
20 |
2 |
FW |
12 |
ジョエル・キャンベル |
レオン/メキシコ |
30 |
118 |
FW |
7 |
アンソニー・コントレラス |
エレディアノ/コスタリカ |
22 |
8 |
FW |
11 |
ヨハン・ベネガス |
アラフェレンセ/コスタリカ |
33 |
80
|
コスタリカは3大会連続でワールドカップに出場しており、過去6大会のうち5回に出場している。2014年に準々決勝進出に貢献した選手の何名かは、世界でもよく知られている。
コスタリカ代表の文句なしの国際的スターは、北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)の歴史上最も偉大なゴールキーパーとされる、ケイロル・ナバスだ。ナバスは、レアル・マドリードで何年も先発として活躍し、3度の欧州チャンピオンズリーグ優勝を経験した。現在、キャリアの終盤に差し掛かっているナバスは、PSGでジャンルイジ・ドンナルンマに継ぐ2番手GKとなっており、プレー時間はあまり確保できていない。
また、コスタリカには、海外のクラブで長いキャリアを積んできた経験豊富な選手が2人いる。セルソ・ボルヘスは、ワールドカップで154キャップを獲得した最も経験豊富な選手の一人で、コスタリカに戻る前はスペインのデポルティボ・ラ・コルーニャで数シーズン過ごした。また、ブライアン・ルイスは、オランダのトゥエンテに長く在籍した後、プレミアリーグのフラムに移籍。ヨーロッパでの長いキャリアの最後は、ポルトガルのスポルティングで過ごした。
ボルヘスは今でも国際舞台で大きな貢献をしているが、ルイスはベンチにいることが多い。しかし、経験の浅い選手を多く抱えるコスタリカにとって、両選手の存在は非常に重要だろう。
今回のコスタリカ代表は、鋭いバックラインと優秀な守備的ミッドフィルダーを中心に、高い身体能力と技術で結果を出すことで知られている。
ベテランのボルヘスは、このワールドカップにおいて、中盤の底で大きく貢献するだろう。その後ろにはケンドール・ワストン、ケイシェル・フラー、オスカル・ドゥアルテといった、ガッツのあるディフェンダーが構える。4バックならこの3人のローテーションになるだろうし、3バックのときは揃って先発するだろう。
今年のワールドカップは、このコスタリカが成長する上で都合の悪いタイミングとなった。経験豊富な選手たちがまだキャリアを終えていない一方で、彼らの後任となる若手選手たちは、まだ代表チームに定着していないという狭間にいるのだ。
ナバスはまだトップGKだが、ルイス、ボルヘス、ドゥアルテ、ワストンは年齢とともに衰えを見せ、ベテランのブリアン・オビエド、ヨハン・ベネガスも32歳を超えている。アーセナルでは若手だったジョエル・キャンベルも30歳になり、衰え始めている。
ジェウィソン・ベネット、ダニエル・チャコン、ブランドン・アギレラ、カルロス・マルティネスといった有望な若手は、まだ未熟だ。有望な能力を発揮してはいるものの、代表チームが彼らの才能を完璧に取り込むことは困難で、CONCACAF予選は厳しい道のりとなった。
コスタリカはワールドカップ2022年大会で強敵ぞろいのグループEに入った。波乱が起きない限り、勝ち抜けない可能性が高い。
開幕戦は強豪スペインとの対戦で、その4日後には日本との命運を分ける一戦が待っている。そして最後に、決勝トーナメント進出の可能性を懸けた、ドイツとの試合が待っている。
日程 |
試合 |
時間(日本時間) |
会場 |
11月23日(水) |
ドイツ vs 日本 |
22:00 |
ハリファ国際 |
11月23日(水) |
スペイン vs コスタリカ |
25:00 |
アルスマーマ |
11月27日(日) |
日本 vs コスタリカ |
19:00 |
アフマド・ビン・アリ |
11月27日(日) |
スペイン vs ドイツ |
28:00 |
アルバイト |
12月1日(木) |
日本 vs スペイン |
28:00 |
ハリファ国際 |
12月1日(木) |
コスタリカ vs ドイツ |
28:00 |
アルバイト |
コスタリカは複数のフォーメーションでプレーすることができる。北中米・カリブ海予選では3バックのシステムで成功したが、大陸間プレーオフとワールドカップ前の親善試合では、伝統的な4-4-2のフォーメーションを採用していた。
ワールドカップの参加チームは、26人の最終登録メンバーが正式に決定すると、大会初戦の前に、特別な事情がある場合に限り、登録メンバーを変更することができる。
大会公式ルール(32ページ)によると、「最終リストに登録された選手は、所属チームの初戦開始の24時間前までは、重傷または病気の場合にのみ交代することができる」とされている。
当該チームはFIFAに診断書を提出する必要があり、FIFAが「FIFAワールドカップに参加できないほど深刻な怪我や病気」と判断した場合に、交代が認められることになる。
代わりの選手は、10月にFIFAに提出された予備登録選手から選出される必要がある。