日本のW杯対戦相手を分析
2018年のFIFAワールドカップで失望したドイツは、昨年ヨアヒム・レーブ監督が退任を選んだように、代表内で変更を強いられた。
ハンジ・フリック現監督は、2022年のカタール大会を前にチームを再び楽観させている。ワールドカップにおける実績から、ドイツは大会の有力候補のひとつであり、日本のグループEで最強のチームであることは間違いない。
4年前のロシア大会はグループステージ敗退に終わったが、ドイツはワールドカップの歴史で最も安定したチームのひとつだ。2014年大会で優勝しており、ほかにも2002年大会以降に準優勝1回と2度のベスト4を果たしている。
経験豊富な主力と欧州で最もエキサイティングな若手の一部を擁するバランスのとれたチームで、ティモ・ヴェルナーやマルコ・ロイスといったスターたちの直近の負傷は事態を難しくさせたが、フリックは2018年大会で負ったダメージからの回復に自信を感じているだろう。
2022年W杯のドイツ代表メンバー
フリック監督が2022年カタール・ワールドカップに向けた26人のメンバーを発表した際、一部のビッグネームはケガで選外となった。
RBライプチヒのFWヴェルナーが足首のケガで欠場することは、しばらく前から分かっていた。だが、ボルシア・ドルトムントのロイスも欠場するとの知らせは、ドイツの選手たちやサポーターを悲しませた。
驚異の若手フロリアン・ヴィルツも、ケガからの回復が間に合わずに欠場。また、実績あるCBマッツ・フンメルスも選外となった。
一方で、サプライズ選出もあった。2017年以降は代表から遠ざかっていたMFマリオ・ゲッツェだ。
2014年ワールドカップで優勝を決めるゴールを挙げたゲッツェは、PSVや現在のアイントラハト・フランクフルトで直近は並外れた調子にあり、フリック監督はロイスの完璧な代役と見ている。
ポジション | 選出 | クラブ | 年齢 | キャップ数 |
GK | マヌエル・ノイアー | バイエルン・ミュンヘン(ドイツ) | 36 | 113 |
GK | マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン | バルセロナ(スペイン) | 30 | 30 |
GK | ケビン・トラップ | アイントラハト・フランクフルト(ドイツ) | 32 | 6 |
DF | アーメル・ベラ=コチャプ | サウサンプトン(イングランド) | 20 | 1 |
DF | マティアス・ギンター | SCフライブルク(ドイツ) | 28 | 46 |
DF | クリスティアン・ギュンター | SCフライブルク(ドイツ) | 29 | 6 |
DF | ティロ・ケーラー | ウェスト・ハム(イングランド) | 26 | 22 |
DF | ルーカス・クロスターマン | RBライプチヒ(ドイツ) | 26 | 18 |
DF | ダビド・ラウム | RBライプチヒ(ドイツ) | 24 | 11 |
DF | アントニオ・リュディガー | レアル・マドリー(スペイン) | 29 | 54 |
DF | ニコ・シュロッターベック | ボルシア・ドルトムント(ドイツ) | 22 | 5 |
DF | ニクラス・ズーレ | ボルシア・ドルトムント(ドイツ) | 27 | 42 |
MF | ユリアン・ブラント | ボルシア・ドルトムント(ドイツ) | 26 | 38 |
MF | レオン・ゴレツカ | バイエルン・ミュンヘン(ドイツ) | 44 | 14 |
MF | イルカイ・ギュンドアン | マンチェスター・シティ(イングランド) | 31 | 62 |
MF | マリオ・ゲッツェ | アイントラハト・フランクフルト(ドイツ) | 30 | 63 |
MF | ヨナス・ホフマン | ボルシア・メンヒェングラートバッハ(ドイツ) | 30 | 16 |
MF | ヨシュア・キミッヒ | バイエルン・ミュンヘン(ドイツ) | 27 | 70 |
MF | ジャマル・ムシアラ | バイエルン・ミュンヘン(ドイツ) | 19 | 17 |
FW | ユスファ・ムココ | ボルシア・ドルトムント(ドイツ) | 17 | 0 |
FW | カリム・アデイェミ | ボルシア・ドルトムント(ドイツ) | 20 | 4 |
FW | ニクラス・フュルクルク | ヴェルダー・ブレーメン(ドイツ) | 29 | 0 |
FW | セルジュ・ニャブリ | バイエルン・ミュンヘン(ドイツ) | 27 | 36 |
FW | カイ・ハバーツ | チェルシー(イングランド) | 23 | 30 |
FW | トーマス・ミュラー | バイエルン・ミュンヘン(ドイツ) | 33 | 118 |
FW | レロイ・ザネ | バイエルン・ミュンヘン(ドイツ) | 26 | 47 |
ドイツ代表のスター選手、長所、弱点
これまでのドイツのワールドカップでの認識は、グループステージ敗退を余儀なくされた2018年ロシア大会で打ち砕かれた。フリック監督は、サッカードイツ代表の記憶からそれを払しょくしなければいけないという重圧にさらされる。
今世紀に入ってから、ドイツは2018年大会を除き、全大会で最低でもベスト4に勝ち進んでいる。ロシア大会は、ドイツのワールドカップでの記録において一時的なものでしかないだろう。
フリック監督は国際的に有数の若手監督という評価を受けている。だが、2021年に開催されたEURO2020ではベスト16敗退と彼の力を発揮できなかった。
スター
バイエルン・ミュンヘンの2選手、マヌエル・ノイアーとトーマス・ミュラーは、今回が最後のワールドカップになるだろう。ただ、フリック監督にとってカタールで鍵を握る選手となるのは、彼らのバイエルンでのチームメートだ。
ドイツは卓越した中盤の要ヨシュア・キミッヒ、そしてサイドのセルジュ・ニャブリ、レロイ・ザネの得点力と創造性を土台としている。
長所
ノイアー、キミッヒ、ミュラーと屋台骨の一角としてドイツの守備を支えるのは、アントニオ・リュディガーだろう。中央のエリアをコントロールする能力は、フリックにとって非常に重要となり得る。
中盤でキミッヒのパートナーとなるのは、マンチェスター・シティのスター選手イルカイ・ギュンドアンだろう。中盤にさらなる枚数が必要なら、レオン・ゴレツカもいる。
弱点
フリック監督はカタールでミュラーとチェルシーのスター、カイ・ハバーツを交互に偽9番として起用するだろう。だが、彼らに重要な得点を挙げる能力があるものの、ドイツにはリオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウド、カリム・ベンゼマ、ロベルト・レバンドフスキのようなリードアタッカーがいない。
今季はティモ・ヴェルナーがRBライプチヒで調子を取り戻していたが、11月2日に足首のじん帯を断裂し、大会を欠場することになった。
W杯グループEの日程、試合スケジュール
日付(日本時間) | 対戦カード | スタジアム |
11月23日(水) | ドイツ対日本 | ハリファ国際 |
11月24日(木) | スペイン対コスタリカ | アル・トゥマーマ |
11月27日(日) | 日本対コスタリカ | アフメド・ビン・アリ |
11月28日(月) | スペイン対ドイツ | アル・バイト |
12月2日(金) | 日本対スペイン | ハリファ国際 |
12月2日(金) | コスタリカ対ドイツ | アル・バイト |
ドイツ対日本の出場メンバー、ラインナップ予想
UEFAネーションズリーグの最終ラウンドを欠場したものの、テア・シュテーゲンはフリック監督のチームの重要な声として再びファーストチョイスに戻るだろう。
リュディガーも守備陣中央でニクラス・ズーレのパートナーに戻るだろう。
初戦でフリック監督はバイエルンのエキサイティングな素晴らしいトリオ、ニャブリ、ザネ、ジャマル・ムシアラをミュラーかハバーツの後ろに置き、ゴレツカ抜きとするかもしれない。
日本戦のドイツの予想スタメン
GK:マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン
DF:ティロ・ケーラー、ニクラス・ズーレ、アントニオ・リュディガー、ダビド・ラウム
MF:ヨシュア・キミッヒ、イルカイ・ギュンドアン
攻撃的MF:セルジュ・ニャブリ、ジャマル・ムシアラ、レロイ・ザネ
FW:カイ・ハバーツ