J1が再開…首位の神戸は横浜FC、2位の横浜FMは浦和と敵地で対戦!名古屋は国立で新潟と激突|J1第22節

2023明治安田生命J1リーグは、8月5日から6日にかけて第22節を実施。中断期間を挟み、3週間ぶりにリーグ戦が開催される。この夏に補強を行うなど、各チームシーズン後半の目標達成に向けた動きが見られた。ここではJ1第22節を展望する。

 

浦和 vs 横浜FM

 

今節の注目試合は、4位の浦和レッズと2位の横浜F・マリノスの一戦だ。両チームの勝点差は「6」。上位同士の顔合わせとなり、優勝争いやAFCチャンピオンズリーグ出場権争いに関わる重要なゲームとなるだろう。

 

まずはこの試合の下馬評をチェックする。遊雅堂が発表しているオッズでは、浦和の勝利が2.30倍、横浜FMの勝利が2.75倍、ドローが3.75倍。拮抗しているものの、浦和の前評判がやや高い。

 

ホームの浦和はこの夏に積極的な補強を行った。かつて鹿島アントラーズで活躍した安部裕葵、タイ代表のエカニット・パンヤを獲得。さらに元日本代表・中島翔哉の加入も決まり、シーズン後半での逆転優勝へ態勢を整えている。安部はコンディション面の不安から加入即出場とは考えにくいが、中島は背番号10を与えられるなど期待は高い。日本代表でも活躍したテクニシャンが久々にJリーグでプレーするとあって、サポーターの注目度も高いだろう。

 

対する今夏の横浜FMは、必要なポジションに的確な補強を行った印象だ。7月12日の天皇杯3回戦で、サイドバックの小池裕太が右膝前十字靭帯断裂の重症を負い今季絶望。そのサイドバックに、V・ファーレン長崎から加藤聖を獲得した。正確な左足のキックを武器とする加藤はパリオリンピックを目指すU-22日本代表に選出されており、これ以上ないタレントと言えるだろう。藤田譲瑠チマがシント=トロイデンVV(ベルギー)に移籍した中盤には、元韓国代表のナム・テヒを補強している。

 

リーグトップの得点数を誇る攻撃陣は、8月1日時点で退団選手はいない。15得点のアンデルソン・ロペスをはじめ、エウベル、ヤン・マテウスらがシーズン後半も破壊力を見せてくれそうだ。

 

オリジナル10同士だけに、通算対戦数も多い。対戦成績は浦和の28勝9分37敗。今季前半は横浜FMが2-0で勝利を収めている。約1ヵ月ぶりのホームでの公式戦となる浦和。熱狂的なサポーターの声援を背に、中断明けのゲームでディフェンディングチャンピオンを叩き幸先良くスタートするのか。それとも王者・横浜FMが浦和にシーズンダブルを決め、連覇に突き進むのか。今節最大の注目カードは、6日19時にキックオフされる。

 

横浜FC vs 神戸

 

横浜FMを1ポイント上回り中断期間を迎えた首位のヴィッセル神戸。中断明け初戦は16位の横浜FCのホームに乗り込む。

 

神戸は現在リーグ戦6試合負けなし。対する横浜FCは7試合勝ちなしと苦しい状況となっている。優勝争いをリードし続けるためにも、神戸はしっかりと白星を収めシーズン後半をスタートさせたい。その期待は遊雅堂のオッズにも表れており、神戸白星は1.66倍。対する横浜FCは4.60倍、引き分けは4.00倍だ。

 

神戸はこの夏に大きな補強はなかった。一方で5月にアンドレス・イニエスタが退団したほか、セルジ・サンペールとステファン・ムゴジャもチームを離れた。しかし3選手とも今季は主力としての活躍はで消えておらず、戦力的なダウンはない。チームはここまでリーグ2位の得点、リーグ最少タイの失点数と攻守のバランスが良い。引き続き盤石な状態でシーズン後半に臨むことができそうだ。

 

一方の横浜FCは、6ゴールを挙げていた小川航基がNECナイメヘン(オランダ)へ移籍。シーズン途中のエースの流出は、残留に向けて大きな痛手と言える。新たな得点源を見つけられるかが今後のキーポイントとなるだろう。

 

両チームの通算対戦成績は横浜FCの4勝2分9敗。さらに神戸は今シーズンのアウェイゲームでは、8勝2分2敗の勝率67%と強さを見せている。現在の両チームの順位や状況を考慮すると、神戸が複数得点で快勝を収める可能性が高い。だが6月18日の第6節では、横浜FCが3‐1で勝利を収めた。開始早々に神戸に退場者出て数的優位も勝因の1つだが、この対戦は予想が難しくなりそうだ。

 

名古屋 vs 新潟

 

第22節では、名古屋グランパスとアルビレックス新潟が5日に国立競技場で激突する。

 

ホームの名古屋は現在神戸と横浜FMを追う3位。首位の神戸とは5ポイントと、シーズン後半での逆転優勝の可能性はまだまだある。タイトルへの意欲は、今夏の選手補強からも見て取れる。

 

まずは北海道コンサドーレ札幌から中島大嘉を期限付き移籍で獲得。キャスパー・ユンカーがフル稼働している最前線だが、パリオリンピック世代の大型ストライカー中島の加入で、ユンカーの負担が軽減されそうだ。さらには前田直輝のチーム復帰が決まり、攻撃陣は厚みを増している。一方で不安な点は、ここまで4ゴール3アシストと、主軸としてチームを引っ張っていたマテウス・カストロの離脱だ。

 

14位の新潟も伊藤涼太郎がシント=トロイデンに移籍。攻撃の中心を失った格好だ。この夏に補強の動きはないが、高木善朗の復帰が待たれる。

 

この試合のオッズは名古屋勝利が1.83倍、新潟勝利が4.20倍、引き分けが3.60倍。やはり上位につけている名古屋の前評判が高くなっている。通算対戦成績は名古屋の15勝8分12敗。さらにこのカードでは名古屋が4連勝中と、有利なデータが揃っている。