神戸は首位固めなるか、親善試合では横浜FMはマンチェスターCと激突┃J1第16節、Jリーグワールドチャレンジ2023
2023明治安田生命J1リーグは前週の第21節を終え中断期間に入っているが、7月23日に第16節延期分の1試合のみが行われる。この試合は、首位のヴィッセル神戸と川崎フロンターレによる注目カードだ。
J1で2位の横浜F・マリノスは同日、「明治安田Jリーグワールドチャレンジ2023 powered by docomo」でマンチェスター・シティ(イングランド)と対戦。昨季J1王者が、2022-23シーズンのプレミアリーグ王者と対戦する。ここではこの2試合を展望する。
神戸 vs 川崎F
J1第16節ヴィッセル神戸と川崎フロンターレは6月3日に開催予定だったが、台風2号接近による天候不順の影響を受け試合中止。7月22日に代替試合が行われる。
まずは試合の下馬評を確認する。遊雅堂のオッズでは神戸勝利が2.37倍、ドローが3.60倍、川崎F勝利が2.75倍。リーグ戦2連勝同士の対戦だけに拮抗しているが、ややホームの神戸が優位なオッズとなっている。
ここからは両チームの状況から試合を考察する。ホームの神戸は開幕から好調をキープしており、消化が1試合少ないながらも首位に立っている。2位の横浜F・マリノスと同勝点だが、得失点差で上回っている。
好調の要因は攻守のバランスの良さにある。失点数はリーグ最少の15だ。ゴールマウスを守る前川黛也はリーグ戦全試合に出場。まさに守護神に君臨している。また持ち前の足元の技術を活かし、最終ラインからの組み立てにも積極的に参加する。また、アンドレス・イニエスタとセルジ・サンペールの退団が決まり日本人選手中心の構成にシフトしているチームの中で、マテウス・トゥーレルがディフェンスリーダーとして最終ラインを統率。酒井高徳と初瀬亮の両サイドバックは攻撃力も併せ持ち、精度の高いキックやフィニッシュワークでも貢献している。
前線では大迫勇也と武藤嘉紀の元日本代表コンビが、引き続き高いクオリティを保つ。大迫はここまでリーグ2位の14得点。2試合連続得点中でチームのエースとして堂々の活躍だ。武藤は8得点のほか9アシストを挙げ、これはリーグトップの数字。6月の6月度の「2023明治安田生命Jリーグ KONAMI 月間MVP(J1)」にも選ばれた。5月の月間MVPは大迫が受賞しており、2選手の貢献度が窺い知れる。
対する川崎フロンターレは、シーズン序盤に躓き現在勝点31で7位。中断明けの巻き返しに向け、神戸戦を足掛かりにしたい。
15日に行われた第21節では、横浜FMとの「BIG神奈川ダービー」に1-0で白星。後半アディショナルタイムに車屋紳太郎の決勝ゴールが生まれ、劇的勝利でライバルを首位から引きずり下ろした。鬼木達監督が「この試合を落としたら優勝はない」と語ったゲームをものにし、チームは勢いに乗っている。2試合続けて首位を破り、逆転優勝の望みを繋ぐことはできるか。
好調の要因は守備の安定にある。ここ6試合で4勝1分1敗だが、この間の失点はわずか3。勝った試合はいずれもクリーンシートで、第21節ではリーグ最多得点を誇る横浜FMを完封して見せた。
両チームの通算対戦成績は神戸の8勝19敗9分。昨シーズンのリーグ戦は2試合とも川崎Fが勝利している。今シーズンの優勝争いを占う一戦に注目だ。
横浜FM vs マンチェスターC
7月23日の「明治安田Jリーグワールドチャレンジ2023 powered by docomo」で、Jリーグとプレミアリーグの王者が対戦する。
2022シーズンのJ1チャンピオンの横浜FMは、今季も優勝争いを繰り広げており2位で夏の中断期間を迎えた。15ゴールのアンデルソン・ロペスが得点王争いでトップを走るなど、リーグ一の攻撃力は健在。チーム得点数44は、リーグでも1位だ。
マンチェスターCも攻撃力が武器のチームで、その破壊力は世界トップクラス。2022‐23シーズンにプレミアリーグで挙げた94得点はもちろんリーグ1位だった。ジョゼップグアルディオラ監督の下、試合の主導権を握る攻撃的なスタイルが浸透。プレミアリーグのほか、FAカップを制覇。またUEFAチャンピオンズリーグでは悲願の初優勝を飾り、国内外3冠を達成する充実したシーズンを送った。
チームの攻撃を司るケビン・デブライネはハムストリングの肉離れにより、横浜FM戦は欠場濃厚。日本のファンにとってはやや残念ではあるが、タレント集団のマンチェスターCは他にもスター選手を多数抱える。中でもアーリング・ハーランドは、現役屈指のストライカーで、プレミアリーグの得点王(36ゴール)に輝いた。ハーランドのスピードとパワー、そして得点力に期待だ。