優勝に向けて突き進むタイガースにベイスターズ・バウアーが立ちはだかる…若鷹と若獅子の投げ合いは?

ペナントレースも終盤。セントラル・リーグは阪神タイガースが独走。パシフィック・リーグはオリックス・バファローズが着実に首位固めをしている。そうした中、横浜DeNAベイスターズや福岡ソフトバンクホークスはクライマックスシリーズ出場権を確保すべく、正念場を迎える。今週末、ベイスターズはタイガースと、ホークスは埼玉西武ライオンズと対戦する。

タイガースはベイスターズに勝利を収められるか?

チームの勢いは、優勝に突き進むタイガース。一方ベイスターズはクライマックスシリーズ進出に向けて正念場を迎えている。

 

タイガースの今季ベイスターズ対戦成績は11勝6敗。8月4日(金)からの3連戦では村上頌樹、青柳晃洋、伊藤将司が先発して3連勝を収めている。18日からの3連戦も、この3人が登板する予定。高校野球が甲子園で行われているため、今回の対戦も前回と同じ横浜スタジアムで行われる。

 

3人の投球内容を振り返ると、初戦の村上が6回2失点。1点ビハインドでマウンドを降りるも、8回に打線がつながり逆転に成功し、2人目の浜地真澄に白星が付いた。青柳は6回3失点(自責点1)。初回に大山悠輔の3ランが飛び出るなど、投打がかみ合った快勝だった。伊藤将は6回2失点。1点を争う展開となったが、最後は岩崎優がセーブを記録し、3-2で勝利を収めている。3投手は先週末の東京ヤクルトスワローズ戦でも好投。今週も安定したピッチングを見せるだろう。

 

ベイスターズ視点で前回の3連戦を振り返ると、東克樹、大貫晋一、石田健大が先発。東は7回1失点と役割を果たしたが、大貫は3回5失点と誤算。石田は5回途中3失点となっている。今回の3連戦は東、石田、トレバー・バウアーが登板予定だ。20日のバウアーは中4日で先発登板。途中加入にもかかわらず、二桁勝利目前と“黒船”ぶりを発揮している。バウアーはタイガース戦に2回先発しており1勝0敗。防御率は4.61となっている。前回の対戦は8回途中4失点。8回に浴びた森下翔太の2ランが悔やまれた。

 

打撃では宮﨑敏郎、牧秀悟を擁するベイスターズ。序盤で相手先発を打ち崩せれば、前回の雪辱となりそうだ。しかし投手戦となれば、守護神・岩崎が安定しているタイガースに軍配が上がる。

ホークスはライオンズに勝利を収められるか?

ホークスの今季ライオンズ対戦成績は6勝9敗。7月に喫した悪夢の12連敗中に3敗。8月1日と2日に行われた試合も2試合連続完封負けを喫し、対ライオンズ戦5連敗となっている。ペナントレース争いからは大きく後退したものの、クライマックスシリーズまでに勢いを取り戻せば日本一奪還は可能なため、これからの1試合1試合が重要な意味を持つことになる。

 

さて3連戦の先発予想は石川柊太、高橋礼、スチュワート・ジュニアだ。石川は3勝5敗、高橋礼は0勝2敗、スチュワートは2勝3敗と、いずれも黒星が先行。黒星は投手だけの責任ではないものの、勝てるピッチングが求められる。一方ライオンズは平良海馬、松本航、青山美夏人が先発すると予想。平良は7勝5敗、松本は3勝7敗、青山は0勝1敗となっている。投手の成績を比較すると、最初の2試合はライオンズに分がありそうだ。そうした中、20日の試合は若いピッチャーによる投げ合いとなる。

 

神奈川県出身の青山は23歳。亜細亜大学で活躍、昨季ドラフト4位で入団した期待の右腕だ。今季は中継ぎとして28試合に登板。8月13日の千葉ロッテマリーンズ戦で初先発となったが、2回2安打1失点でプロ初黒星を喫する結果となった。不本意な結果となったものの、決して悪い内容ではなかったため、今回はさらに上の結果を目指したい。

 

スチュワートはアメリカ合衆国出身の23歳。2018年のMLBドラフト会議で1巡目指名されるほどの逸材だったが、契約には至らず。東フロリダ州立短期大学を経て、2019年にホークス入団となった。2021年に1軍デビューを果たすも、昨季は1軍での登板はなし。今季は7試合に先発して、防御率は2.33となっている。ライオンズ戦の今季先発は1試合。4回まで1失点と好投を見せたが、5回に1死満塁のピンチを招くとマキノンに適時打を打たれて1失点。ここで降板となった。

 

若いピッチャーを先に支援できるのは、どちらのチームか。ホークスは柳田悠岐や近藤健介、ライオンズはマキノンの活躍に期待したい。