RIZINのルールを解説! BellatorやUFCとの違いは?

さいたまスーパーアリーナでは、Bellatorフェザー級王者パトリシオ・フレイレがRIZINフェザー級王者クレベル・コイケと、A.J.マッキーがRIZINライト級王者ホベルト・サトシ・ソウザと対戦する。そのほか、堀口恭司 vs. 扇久保博正、キム・スーチョル vs. フアン・アーチュレッタもラインアップされている。(画像:RIZIN FF)
スコット・コーカー率いるBellatorファイターたちは、UFCやBellatorで採用されているMMA統一(ユニファイド)ルールの下で戦うことに慣れている。しかし、今回はそのようなガイドラインは窓から投げ捨てられる。同団体のルールは「日本MMA審判機構」を通じて遵守される。はたしてUFCやBellatorのルールとRIZINのルールはどれくらい違うのか?
ここではRIZINのルールについて説明していく。

■『PRIDE』から引き継がれた『RIZIN』のMMAルールとは?
RIZINのファイターは、アメリカの団体とは異なり、「ケージ(UFCはオクタゴン=八角形、Bellatorは円形)」ではなく、ボクシングやプロレスでも使われる、四方にロープが張られた四角い「リング」で試合を行う。日本のMMAは『RINGS』や『PRIDE』時代から伝統的にリングが使用され、グラウンドコントロールについては大きな違いがある。ロープとロープの間、あるいはロープとマットの間には空間があり、面で閉鎖されたケージにおける「壁際」=「際(キワ)」で成立する攻撃や防御術が通用しない場合がある。
例えば、その隙間から選手の身体がすり抜けて、エプロン(ロープより外のエリア)上で膠着したり、マット下に転落して試合が中断されることになる。前述の堀口 vs. コールドウェルの初戦では、コールドウェルがロープ際で攻め切れない局面が試合展開に影響した感もあった。RIZINではロープを掴んでもブレイクになることはないが(減点行為)、故意にせよ事故的にせよエスケープが可能になるため、ケージに慣れ切ったBellatorファイターにとってはカルチャーショックを受ける部分かもしれない。
また、ファイターの攻撃手段については、頭突き、金的攻撃、かみつき、後頭部・延髄・脊髄への打撃攻撃などの反則以外が有効となっている。グラウンド状態の相手の頭部への蹴りや膝攻撃に加え、MMA統一ルールでは反則とされることが多いサッカーボールキックやストンピングも有効だ。とくに「12to6ストライク(肘の先で下向きに打つ縦肘攻撃)」が有効打として認められているなど、世界的に見てもアグレッシブな攻防が期待できるという点は、UFCやBellatorとの大きな違いだろう。
RIZINの榊原信行CEOは、少し前の記者会見で「世界の数あるMMAイベントのなかで、RIZINは最もアグレッシブなルールを持っていると思う。肘打ちを解禁することで、最もスリリングなルールセットで前進していきたい」と述べていた。
RIZINのMMAルールマッチは、以下の基準で判定される。

・ダメージ:打撃とグラップリングは均等な基準で判定される。それぞれの効果によってどれだけ採点が左右されるかを判断する。
・アグレッシブネス:試合を終わらせることができる攻撃を、どちらのファイターがより効果的に行ったかを判定する。この項目においては与えたダメージの直接的影響はカウントされないが、各ファイターが積極的に試合に臨むことが求められる。
・ジェネラルシップ:試合のペースとポジション(立ち技か寝技か)をどちらが効果的に支配していたかを判定する。

また、試合はラウンドごと(10-9、10-8)ではなく、全体として採点される。ダメージ、アグレッシブネス、ジェネラルシップは、それぞれ50点、30点、20点のシステムで採点される。総合点になるため、常に積極的な攻撃姿勢が望まれる。
RIZIN vs. Bellator対抗戦が大注目の『RIZIN.40』は、2022年12月31日(土)14時から、『RIZIN STREAM PASS』のほか『ABEMA』、『U-NEXT』、『スカパー!』でPPVライブ配信される予定だ。

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