WBC 2023で実現なるか? 『ピッチャーvsバッター』夢のマッチアップ
ワールド・ベースボール・クラシック(以下、WBC)では各国のスーパースターによる夢の対決が多数実現することだろう。ここでは、大会中に実現が期待される、誰もが見てみたい『投手対打者』の夢の対決を5組紹介する。
①ロサンゼルス・エンゼルス対決:マイク・トラウト vs. 大谷翔平
こんな夢のようなことが起きないだろうか。WBC決勝戦の終盤、8回か9回のマウンドに大谷が上る。試合は同点で、打席にはトラウトが向かう。筆者にはこの直接対決の勝者を想像することすらできない。しかし、そのすべての瞬間を楽しむはずだ。当事者の2人もそうだろう。
トラフトは「僕らはそのことについては昨シーズン中に話したよ」と1月20日にメディアに話している。
「大谷が出場することは知っていたからね。大谷が投げるときはいつも近くで見ている。エグイ球だよ。大谷と対戦したことがある打者と話をすると、だれもがもう打席に立ちたくないって言うからね。すごく興味があるよ。楽しみにしている。大谷とは仲の良い友人同士だし、きっと楽しくなるはずだ。僕らは多くのチームメイトやふだん戦っている選手たちとWBCで対戦することになる」
②ヒューストン・アストロズ対決:ホセ・アルトゥーベ vs. アストロズ投手陣
アルトゥーベは長きにわたってアストロズを象徴する選手であり続けている。しかし、アストロズのファンがWBCではアルトゥーベの敵に回ったとしても、それを非難することはだれにもできない。なぜならドミニカ共和国代表チームはアストロズのスター選手で溢れているからだ。ワールドシリーズでヒーローになったジェレミー・ペーニャもそうである。
投手陣にいたっては、ワールドシリーズで継投ノーヒットノーランを演じたクリスチャン・ハビエル(6イニング)、ブライアン・アブレウ(1イニング)、そしてラファエル・モンテロ(1イニング)の全員がドミニカ共和国代表チームに名を連ねている。それだけではなく、ジャスティン・バーランダーがニューヨークに移ったことでアストロズのエースとの期待がかかるフランバー・バルデスも、救援投手陣のカギとなるヘクター・ネリスもそうなのである。
そして、もしベネズエラ代表チームが第2ラウンドに進出すると、アルトゥーベは対アメリカ戦でアストロズのクローザーであるライアン・プレスリーと相まみえるかもしれない。
③MLBの将来を担うスター対決:フリオ・ロドリゲス(ドミニカ共和国)vs. 佐々木朗希(日本)
少し気が早い夢かもしれない。佐々木がMLBに来ることになるとしても、それはまだ数年先のことだからだ。
しかし、この日本の少年は間違いなくスターなのだ。昨年、佐々木は日本プロ野球で28年ぶりとなった完全試合を達成した。だが佐々木の凄さはその日のパフォーマンスだけでは語れない。20歳になったばかりの佐々木はその日に13人連続を含む19三振を奪っただけではなく、次の先発登板でも8回を走者なしで完全に抑えたのだ。その試合では9回を前に降板を命じられている。
WBC決勝戦において佐々木がJ-Rod(ロドリゲス)を相手に1回か2回迎えるところを想像すると胸が躍らないだろうか。
④サンディエゴ・パドレス対決:ザンダー・ボガーツ vs. ダルビッシュ有
プールA/Bは少し実現が困難な組み合わせかもしれない。MLB選手の多くがプールC/Dのチームに所属しているからだ。しかし、もしこの対戦が実現すれば、とても興味深いものになる。パドレスのエースと同チームがオフシーズンに獲得した大物が対決するかもしれないのだから。
サンプル数は少ないが、ボガーツはダルビッシュのチームメイトになれたことを喜んでいるだろう。これまでの直接対決では6打席でボガーツの5打数0安打2三振1四球なのだ。パドレスファンはこの対決が実現すれば喜ぶに違いない。
⑤トロント・ブルージェイズ対決:ブラディミール・ゲレーロ・ジュニア vs. ホセ・ベリオス
この2人ほど2023年のブルージェイズにとって重要な選手はほかにいない。昨年のブルージェイズはこの2人がやや不調だったにもかかわらず、ポストシーズン進出を果たした。しかし、このチームがアメリカン・リーグ東地区のタイトルを目指すのであれば、ゲレーロにはふたたびMVP級の活躍を、そしてベリオスにはふたたびオールスター級の活躍を、それぞれ望むだろう。
この試合はプールDの最終戦である。少なくとも、どちらかのチームにとっては第2ラウンド進出をかけたものになるはずだ。ブルージェイズのチームメイト同士がマイアミで激突する場面が見られるかもしれない。