WBC 2023内野手陣の国別戦力トップ5

2023年3月、野球世界一を決める国際大会、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(2023 World Baseball Classic™|以下WBC)が開催される。

 

ここでは出場各国別の内野手陣の戦力を分析し、今大会開幕前時点のトップ5を格付けする。

5位 プエルトリコ

  • 一塁手:ホセ・ミランダ(ミネソタ・ツインズ)
  • 二塁手:ハビアー・バエズ(デトロイト・タイガース)
  • 遊撃手:フランシスコ・リンドーア(ニューヨーク・メッツ)
  • 三塁手:エマヌエル・リベラ(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)
  • 捕手:マーティン・マルドナード(ヒューストン・アストロズ)

格付けの理由: リンドーアは超一流選手だ。バエズは2022年の成績が本来のものではなかったことをWBCで証明したいだろう。ここまではいい。だがプエルトリコは両コーナーに上位チームほどの実績ある選手がいない。ミランダもリベラも才能はあるが、まだ若い有望株選手だ。

マルドナードを先発捕手としたのはリード能力を買ったからだ。短期決戦ではベテラン捕手の価値は非常に大きい。しかし、カンザスシティ・ロイヤルズの若きスター、M.J.メレンデスが代わりを務めることがあるかもしれない。

4位 ベネズエラ

  • 一塁手:ルイス・アラエス(マイアミ・マーリンズ)
  • 二塁手:ホセ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ)
  • 遊撃手:アンドレス・ジメネス(クリーブランド・ガーディアンズ)
  • 三塁手:エウヘニオ・スアレス(シアトル・マリナーズ)
  • 捕手:サルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)

格付けの理由: かなりの好選手が揃った内野陣だ。最も有名な選手はアルトゥーベだろう。昨年のアメリカン・リーグMVP投票では5位に入った。そのひとつ下だったのがジメネスだ。MVP投票トップ6に入った選手が2人いるとはなかなかだが、それだけには留まらない。アラエスは昨年のアメリカン・リーグ首位打者であるし、ペレスはMLB直近2シーズンで71本の本塁打を打っているし、スアレスも同じく31本ずつの本塁打を打っているのだ。

3位 日本

  • 一塁手:山川穂高(埼玉西武ライオンズ)
  • 二塁手:牧秀悟(横浜DeNAベイスターズ)
  • 遊撃手:源田壮亮(埼玉西武ライオンズ)
  • 三塁手:村上宗隆(東京ヤクルトスワローズ)
  • 捕手:中村悠平(東京ヤクルトスワローズ

格付けの理由: 日本が第3位にいるのは、なにも大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)が急に内野を守り始めたからというわけではない。日本の内野陣はそれだけ優れているのだ。三塁手の村上は昨シーズン記録的な56本の本塁打を打っただけでなく、打率.318と134打点でNPB(日本プロ野球)の三冠王を獲得した。しかもそれを22歳のシーズンで成し遂げたのだ。一塁手の山川は昨シーズン41本の本塁打を打った。源田は抜群の守備力を持った遊撃手だ。牧は昨年24歳のシーズンで24本の本塁打を打っている。

2位 ドミニカ共和国

  • 一塁手:ブラディミール・ゲレーロ・ジュニア(トロント・ブルージェイズ)※
  • 二塁手:ケーテル・マルテ(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)、ジーン・セグラ(マイアミ・マーリンズ)
  • 遊撃手:ジェレミー・ペーニャ(ヒューストン・アストロズ)、ワンダー・フランコ(タンパベイ・レイズ)、ウィリー・アダメス(ミルウォーキー・ブルワーズ)
  • 三塁手:マニー・マチャド(サンディエゴ・パドレス)、ラファエル・デバース(ボストン・レッドソックス)
  • 捕手:ゲイリー・サンチェス(ミネソタ・ツインズ)、フランシスコ・メヒア(タンパベイ・レイズ)

格付けの理由: ドミニカ共和国の内野陣こそがトップだとする意見も多いだろう。信じがたいほど豪華なメンバーだ。なにしろ最近レッドソックスと3億1300万ドル(約420億円)の巨額契約を結んだばかりのデバースが指名打者に回るのだ。さらに、毎年のようにMVP有力候補になるマチャドが三塁にいるからだ。

遊撃手の競争はさらに激しい。アメリカン・リーグ・チャンピオンシップ・シリーズとワールドシリーズのMVPに選出されたペーニャ、強打のアダメス、そして若きトップスター選手のフランコだ。二塁手と捕手はそれに比べると「弱点」と言えるかもしれないが、それでも好選手が両ポジションにひしめいている。

※ゲレーロは大会前に欠場が決定。

1位 アメリカ

  • 一塁手:ポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カージナルス)
  • 二塁手:ジェフ・マクニール(ニューヨーク・メッツ)
  • 遊撃手:トレイ・ターナー(フィラデルフィア・フィリーズ)
  • 三塁手:ノーラン・アレナド(セントルイス・カージナルス)
  • 捕手:J.T.リアルミュート(フィラデルフィア・フィリーズ)

格付けの理由:アメリカ代表チームを1位とする理由とは、上に挙げた先発メンバーと目される選手たちだけではなく、その「控え選手」たちの層の厚さにある。2022年ナショナル・リーグMVP受賞者ゴールドシュミットの影には昨シーズン40本塁打、131打点のピート・アロンソ(メッツ)が控えている。遊撃手ではオールスターに2回選出され、直近4シーズンの通算打率.318のティム・アンダーソン(シカゴ・ホワイトソックス)がターナーの影にいる。昨シーズン、新人ながら20本塁打、30盗塁、80打点を達成したボビー・ウィット・ジュニア(カンザスシティ・ロイヤルズ)は三塁手も遊撃手もこなせる。

史上最高の三塁手アレナドが休息をとりたくなっても心配はない。マクニールは2022年ナショナル・リーグ首位打者だ。まさに超一流の布陣である。そしてアメリカとドミニカ共和国を決定的に分けるのは捕手のレベルだ。アメリカ代表チームにはリアルミュートだけではなく、隠れた実力者であるウィル・スミス(ロサンゼルス・ドジャース)も名を連ねているのだ。