WBC2023予想展望丨準々決勝プールA・Bの組み合わせが決定。準決勝へ勝ち上がるのは?
野球世界一決定戦、ワールドベースボールクラシック2023(World Baseball Classic/WBC)は3月8日に開幕。13日までにプールAとBの1次ラウンドが終了した。日本代表・侍ジャパンはプールBを全勝で突破。準々決勝ではプールA2位のイタリア代表と激突する。
準決勝に勝ち上がるのはどのチームになるのか。ここでは準々決勝2試合を展望する。
■1次ラウンド:プールA
まずはプールAとBの1次ラウンドを振り返る。
台中インターコンチネンタル野球場(台湾)で行われたプールAは、全5チームが2勝2敗で並ぶ大混戦となった。順位決定は「失点率/守備アウト数あたりの失点数」に委ねられ、失点率が最も低かったキューバ代表が1位、次いで低かったイタリア代表が2位で準々決勝に進出。オランダ代表は2連勝スタート切るも、最終戦でイタリア代表に7失点を喫したことが響き3位、パナマ代表とチャイニーズ・タイペイ代表も惜しくも涙を飲む結果となった。
- キューバ 2勝2敗 失点率=0.139
- イタリア 2勝2敗 失点率=0.157
- オランダ 2勝2敗 失点率=0.186
- パナマ 2勝2敗 失点率=0.200
- チャイニーズ・タイペイ 2勝2敗 失点率=0.295
■1次ラウンド:プールB
東京ドーム(日本)開催のプールBは前評判通り日本代表が首位通過。全ての試合で6点差以上を付け、全勝で準々決勝にコマを進めた。2位は3勝1敗のオーストラリア代表。韓国代表は、結果的に直接対決となった初戦のオーストラリア戦での惜敗が決定打となり、3位で敗退となった。
- 日本 4勝0敗
- オーストラリア 3勝1敗
- 韓国 2勝2敗
- チェコ 1勝3敗
- 中国 0勝4敗
■準々決勝
プールAとプールBが終了し、準々決勝2試合の対戦カードが決まった。日本とイタリア、キューバとオーストラリアがそれぞれ対戦。この2試合は東京ドームで行われる。
アメリカ行きの切符を掴むのは果たしてどのチームになるだろうか。
▼日本×イタリア(3月16日19:00開始)
まずは日本とイタリアのゲームを展望する。3月14日時点での優勝オッズは日本が2.87で1番人気。イタリアは51.00で8番人気。これまでの試合結果が反映されたオッズになっている。プールBを首位で通過した日本は、開幕前の3.50と比較しても人気が上昇。1次ラウンドでの戦いぶりから、優勝への期待が高まっている。対するイタリアは101.00から上昇しているものの、この一戦での前評判は日本が有利と言える。
日本は準々決勝で大谷翔平が先発登板すると予想されている。大谷は初戦の中国戦で先発し、4回無失点の好投。そこから中6日でイタリア戦に臨む。ロサンゼルス・エンゼルスのフィル・ネビン監督は、大谷がWBC準決勝以降で登板しないことを明言。そのためイタリア戦が今大会最後のピッチングとなる可能性が高い。
準々決勝は80球の球数制限が設けられており、先発投手が完投することは考えにくい。そこで大谷の降板後、第2先発としての起用が有力視されるのがダルビッシュ有だ。ダルビッシュは2戦目の韓国戦に登板し3回3失点。そこから中5日となる。韓国戦では精彩を欠いたが、今大会2戦目の登板で修正できるかがポイントだろう。「大谷ーダルビッシュ」による夢の投手リレーが実現するかも注目点だ。
日本の打線は好調をキープ。1次ラウンドでは全試合で7得点、合計38得点を挙げた。特にラーズ・ヌートバーと近藤健介の1,2番が昨日。高い出塁率で中軸に繋ぐことができている。大谷は4戦目で今大会初ホームランを放つなど打率.500、8打点。吉田正尚も打率.417、8打点と好調だ。状態が上がっていないのが、4番を打つ村上宗隆。4試合で2安打で打率.100と苦しむ主砲の復調が、日本の打線のカギとなる。
激戦のプールAを勝ち上がったイタリア。チームを指揮するのは、現役時代MLBのロサンゼルス・ドジャースで野茂英雄氏とバッテリーを組んでいたことでも知られるマイク・ピアッツァ監督だ。
イタリア系のアメリカ人選手が中心のチーム。エンゼルスで大谷とチームメートのデービッド・フレッチャーらがいる。プールAで前評判が高かったキューバを破ったほか、最終戦のオランダ戦を勝利するなど勝負強さも目立つチームだ。地力は日本の方が高いと目されているものの、イタリアは勢いがあり侮ることはできない。
▼キューバ×オーストラリア(3月15日19:00開始)
もう1つの準々決勝では、キューバとオーストラリアが対戦する。14日時点でのキューバの優勝オッズは17.00(6番人気)、オーストラリアは67.00(9番人気)だ。
キューバは今回のWBCから亡命選手が参加し、戦力アップが見込まれている。MLBシカゴ・ホワイトソックス所属のルイス・ロベルトとヨアン・モンカダが出場。1次ラウンドでもその打棒を見せつけた。のアリエル・マルティネス、ジュリスベル・グラシアル、アルフレド・デスパイネらNPB経験者がメンバー入り。投手ではライデル・マルティネス、ジャリエル・ロドリゲス、リバン・モイネロらがNPB経験者でブルペンを支える。
1次ラウンドではオランダとイタリアに連敗スタートを喫したが、その後立て直し準々決勝に進んでいる。状態が上向きのチームだけに、勝ち上がりの期待が高い。
対するオーストラリアは、1次ラウンドで日本に敗れたものの3勝を挙げ突破を決めた。特に初戦の韓国戦では8‐7の接戦をものにした。韓国戦で3本のホームランを放ったほか、1次ラウンド全試合で本塁打をマークしており、長打力を秘めたチームだ。
■準々決勝に勝ち上がるのは?
それぞれのプールを首位で勝ち上がった日本とキューバが有利と見られている準々決勝。だがイタリアとオーストラリアも力を持っている。特にキューバとオーストラリアは優勝オッズの差が小さく、どちらが勝ち上がっても不思議ではない。
準々決勝から黒星即敗退という、負けが許されない戦い。必勝態勢で臨む日本は、大谷とダルビッシュの2枚エースを投入するのか。イタリアとの準々決勝は16日19時プレーボールだ。